横転したトラック・・・・後編
大量のガラス瓶の破片が、ウチのゲート前にそのまんま放置。
ポリスに言われたのだろうが、トラックのオーナー(=ドリンクの卸売り商店のオーナー)のスタッフが来て、ガラス破片を大雑把に片付けた。
何処からか調達してきた別のトラックが、ロープをかけて事故車を引っ張り起こした。
そして割れなかったドリンクを積み込み、何事もなかったように帰って行った。
事故が起きてから、4時間後のことだった。
・・・・・
・・・・・・・・・?
わかりますか?
これが?
どういうことなのか?
あちらさんにも、車の修理代がかかるとか、商売モノのドリンクが割れたとか事情はあるでしょう。
店のオーナーは頭にきているかも知れません。
しかし、私の身にもなってください。
私が何をしました?
私の経験したことは・・・。
暴走トラックがいきなり敷地内に飛び込んできた。
作ったばかりの塀に当たり、ゲートに当たりそれらを傷つけられ、壊されました。
ゲートにいたっては、まだ2週間の新品です。
そしてフェンスやゲート周りには、どうやったって完全には除去できないほどの、ガラスの破片をばら撒かれました。
ゲートのフットボルトが曲がり、ゲートが開かず(開けても、トラックが鎮座していて入れない)資材の配達が受け取れないので、工事日程が遅れました。
ざっとみても、腹が立つことばかりです。
トラックが突っ込んでくる20分前まで、職人と私は塀の内側で仕上げ作業していました。
危ないとこでした。
うちはどう見ても“被害者”です。
それなのに、トラックの関係者達は、私や管理人などまるでそこに居ないかのように振る舞い、勝手にいい加減な片付け作業をして帰っていきました。
ウチの敷地内です。
最初から最後まで、まったく、まったくひと言の侘びどころか、挨拶さえもありません。
こんな理不尽な事って、あっていいのですか?
後でわかったのですが、その店のオーナーも後から来たメンバーの中に居たそうです。
私としては、まずひと言、侘び。
百歩、いや千歩譲っても、挨拶。
それが欲しかったのです。
警察は、『事故のレポートがあるから、損害賠償請求ができる』とか言ってましたが、金の問題じゃないでしょう。
人としてこういう時は、まずどうするべきかという事です。
こういう手合いは、フィリピンに限らず、例えば日本にも居るかも知れません。
しかし、私はここでは『外国人』ですから、「だからフィリピン(人)は・・・」となってしまいます。
最初は横転したトラックを見て、「ドライバーの怪我は・・・?」などと、日本人的に甘っちょろく心配して・・・・私はバカでした。
(しかし、幾ら長く住んでいても、この国のスタイルには慣れません)
これも後でわかったのですが、車には3人乗っていて、運転手だけが怪我で、後の2人は横転した直後に現場から逃げたようです。
(仲間も平気で見捨てる・・・)
冷静に考えれば、ドライバーも、オーナーからトラックの修理代&商品の損害を請求されるので、他の島に逃げるだろうし、便乗していた仲間は、『ヤバい!』と思ってトンズラする訳です。
極端な話、ウチが権力者の家であれば、トラックで突っ込めば、ショットガンを持ったガードに、その場で撃たれてしまうこともあるわけです。
(家畜や作物を盗もうとした人が、子供でさえ、銃で撃たれるという事件がよくニュースになるこの国です)
1年に一度、有るか無いかの非常~に気分の悪い一日、あと味のワル~い出来事でした。
こんな連中相手に、”損害買収請求”なんてすれば、時間のムダ!、泥沼にはまり込むからしません。
まぁ、どこの国に住んでも、生きていれば、良いこと悪いことはあります。
それが人生。