面白いと思う魚
ゴマモン。
産卵期のゴマモン⁽ガラ)は、巣の回りにテリトリーを強く主張します。
巣の近くに来るものは、威嚇し、追いかけまわし、その強靭な歯で攻撃します。
ダイバーも然りです。
私(フウテンオヤジ)の場合は、後ろ向きになって、ジェットフィンで迎撃します。
耳を噛まれて、医者に行って何針も縫ったガイドもいました。
初心者ダイバーの中には、ゴマモンが来ると、勘違いして自分も寄って行っちゃう人もいるので、ガイドとしては焦ります。
《ここからフウテンおやじ妻です》
タイトルそのまんま、です。
私がこりゃ~おもしろい!と思っている魚を紹介させていただきたいと思います。
あくまでも、“私が”おもしろいと思う魚ですので、たいくつだったらすみません。
すぐいっちゃいましょー。
エントリー1
“水中の魔女”
ゴマモンガラ=胡麻紋殻 =Titan Triggerfish
じゃじゃ~ん
オスでも“魔女”と呼んでいいかもしれません。今の世の中、なんでもあり、じゃないですか。
この魚、結構サイズが大きい⁽40~70センチ)ので、水中で見ると“見ごたえ”があります。
英語名はタイタン トリガーフィッシュ。
この大きさからギリシャ・ローマ神話の“タイタン”から名づけられた、と言われています。
正直、私も、ダイバー成り立ての頃は知らずに「お~!!」と感動し、パンを片手に近づこうとして、ガイドにがっつりと止められたことがありました。
知る人ぞ、知る。海の凶暴魚、通称“ゴマモン”。
ガツッ、ガツッ。。。。。なんの音だっけ?
ふと見ると。。。。。
青ヒトデをかっ食らうゴマモンの姿。。。。
私に気づき、青ヒトデを口に加え、くるりと向きを変え、そそくさと去っていったあの姿は今でも忘れません。
ご存知の方も多いと思いますが、特に産卵期にゴマモンに近づいてはいけませんぞ。
知らずに巣穴の近くまたは上を通過しようものなら。。。。
(アッタックしてくるメスのゴマモン=母親の本能ですか。。。わからなくもないですが。。。母は強し、です)
ただ、私ゴマモンの“ひげ”大好きです。
口の上に、キャプテンフックも顔負けの立派な口ひげがあるんです。
(実際に口ひげはありません。口の上にある口髭のようにみえる黒線ですよ~)
エントリー2
“水中のカラス”
アブラヤッコ=Keyhole Angelfish
カラスは確か、ギリシャ神話では黒一色になる前はカラフルな鳥だった、と記憶しています。
それがカラスのいたずらに怒った神様が、バツとしてカラスを地味な黒一色に変えてしまったとか。。
逆にイギリスのロンドン塔ではカラスを飼っていますね。
カラスがいないと不吉なことが起こる、と言われているロンドン塔です。
でもあのうじゃうじゃいるカラスの方が、よっぽど不気味に感じ鳥肌がたちましたが。。。
さてこのアブラヤッコ、実のところほとんど黒色に見えますが、“濃紺”です。
体中央に一点白が入っているものの、私的には“水中のカラス”?と思ってしまいます。
(ちなみにこの白点は成長していくと段々小さくなっていきます)
このアブラヤッコを見ると、水中で不吉なことが起こる、というものではありませんのでご心配なく。
他のキンチャクダイの魚は黄色だのブルーだの結構カラフルなのに、このアブラヤッコはジミです。。。
お情けに筆で書いたような点があるのみ。。。
だから英語名はおもしろいですよ、キーホール(key hole) エンジェルフィッシュ。。
なんで和名はカギアナ(鍵穴)ヤッコにならなかったんでしょう?
エントリー3
“水中のおたまじゃくし”
コンビクトブレニー = Convict Blenny=囚人魚
最近人気が出てきました。私が発見?した7年くらい前はほとんど知られておらず、NHKの番組で取り上げられ、注目されたお魚です。
英語名はコンビクトブレニーですが、またの名をエンジニアブレニーとも言われます。
一応名前にブレニーがつくのでギンポ科?と思われがちですが、DNAが一致しないのでギンポ科には属さないようです。
唯一、“親を”養う魚、として有名で、生物学者の研究対象にもなっています。
現時点では幼魚の糞をエサとしている、または幼魚自体をエサにする、などと報告されています。
ゴンズイの擬態と言われているこのコンビクト、水中でホバリングしながら泳ぎ、稚魚や幼魚(0.5cm~9cm)は、まるでおたまじゃくしのようでかわいらしいのです。
そのかわいらしい幼魚が成長し、こんな姿に。。。
めったに見ることのできない成魚の全身。
”囚人”魚の名前がついたとされるこの模様。
囚人服に似ているからだそうで。。(成魚は約50cmほど)
個人的には囚人、というよりもシマウマっぽいんですが→そうすると名前がゼブラブレニー、いかがでしょう?
この成魚(=親)、ず~っと穴の中にいて、時たま穴の中の掃除をした後の“ガラ”を口に含み、穴の外にぶは~~っと吹き出して捨てるのです。
穴ぐらの掃除だけをする親。。。
考えるとずいぶん怠慢です。
それとも親の役目を果たしたので、子供に養ってもらうぞ、とそういう意味では日々の生活に気合が入っているのでしょうか?
この写真はまだ見れる方ですが、実際見ると口びるが厚く、この親にしてこの子?みたいなギャップに驚きます。
(親魚)
まだあどけなさが残る表情。
これがどんどん凄みを増してきます。
幼魚の位置や行動から巣穴を見つけてみる、のも結構おもしろいですよ。
めったにお目にかかれない成魚がいたらラッキーですね。
ということで、本日の勝手気ままな、おもしろ魚編でした。
おしまい