ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

壁自慢

(この日の朝の現場の前の道)



フィリピンの手抜き建築について、前回の記事で書きましたが、現在の日本でも『顧客の見えないところは・・・』という事象があると思います。


『ゼネコン施工建物の壁の中に産廃ゴミが突っ込まれていた』、なんて酷いニュースもありましたが、例えば、”一戸建て建売住宅”です。


私は、子供の頃から建築現場が好きで、今でもジョギング途中に建売住宅の現場があると、立ち止まって見てしまいます。


コンクリート基礎の配筋や、使用している柱の太さ・素材・組み方がまちまちと気が付きました。


家を買う人は、目に見えるところはチェックできますが・・・・・


内部詳細は・・・・


何か『配偶者』選びと通ずるような・・・”ギャンブル”か??





(以上は、2021年5月現在の追記です)






さて、前にも少し書いたが、ウチのクラブハウスの壁はぶ厚い。


あくまでも比較において、だが。


フィリピンのコンクリートブロックは、日本のものに比べるとボロボロで強度が無いという評判だ。


しかも、職人の未熟さが追い討ちをかけている。


しかし、その脆弱さをカバーして余りある、うちの現場のモルタルの上塗りの厚さだ。


全体の壁厚が20センチを超えているところも多い。


中身は、ブロックとセメントと鉄筋で隙間空間は無い(ハズ)。



(壁の内側も外側も、窓枠のはみ出し無しのフラット設計)



ジャイアント馬場の必殺ワザ『32文ロケット砲』でも、びくともしないだろう。


機関銃の乱射でも持ちこたえる(弾丸の種類とサイズにもよるが)



もっと詳しく言うと、外壁には6インチ(15センチ)厚の重量ブロック、屋内の間仕切りは、普通の4インチ(10センチ)ブロックである。


しかし、厚いセメントの上塗りを加え外壁は20センチ以上、間仕切り壁でも20センチ近いのだ。



(モルタルセメントをコテで飛ばして、ブロックの上にセメント層を作っていく)



(しばらく置き、半乾きの時に更にセメントを塗り仕上げる)



(窓下の壁)




頑丈で、防音性も良く、良い事ばかりかというと、そうでもないのだ。




木製の屋内ドアの取り付けに、やや問題が出てくる。


この国は、屋内の木製ドアには木のドア枠(ドアジャム)を使うことが多い。


そのドア枠の厚み(=幅)は、4インチ(10センチ強)前後だ。
(『前後』というのがこの国らしい。ピッタリではなく大雑把なのだ。)



ドアジャムは、1ヵ月半前にドア16枚分まとめ買いしてある。


内訳は6インチ幅(という名の6インチ弱)の玄関用1セットと、それ以外は普通サイズの4インチ(という名の4インチ弱)だ。


結果どうなるか?



(室内のドア枠、ここは片側のみフラット・・・壁のコンクリートが余る)



(部屋からバルコニーに出るドアの枠、ここは壁が厚くて両側ともはみ出る)




壁とドア枠の端が両面共はフラットにならないのだ。


ドア枠が壁よりも奥まっている、ということになる。



これは普通にある話で、実は問題ではない。


ただし、腕が良ければだ。


ところが、うちのチームはたった2人を除き、生涯保障付きのヘタクソなのだ。


壁が波打ち見っともない、肝心の角が出せない、垂直も出せない。


ドア枠に飾り付のモールディングをつけて、いい格好したいのだが、壁とジャムがフラットなのは片面だけ。


もう片方は、モールディング(縁飾り?)でごまかそうとしても、3角断面のモールディングを使うしかない。


でも壁厚が不均一であるから、格好つかないのだ。
(かえってその弱点が目立つと思う。)





玄関ドアの石貼り壁のところは更に悲惨だ。




(玄関エントランス外側より)



(玄関エントランス内側より)



(稚拙の美学?)


(もう『どうだ~!』と居直っている感じ)




フウテンは、ココにどうやったら、気張って購入済みの彫刻入りのドアパネルとモールディングを付けられるか、ここ1週間ほど、思案中だ。


そんな問題処理の案件がごちゃごちゃ、頭の中を竜巻のように渦巻いている。





子供の頃、『宇宙ゴマ』とか『地球ゴマ』という名の玩具があった。








http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%82%B4%E3%83%9E


 (参考)




たかがと言っては大変に失礼だが、町工場のオヤジさんが外国の物理学者の論文からヒントを得て、この玩具を作ったという。


しかも87年前に。


こんな国・国民はなかなか無い、傍からみれば変態集団レベルと思う。




さらにその『地球ゴマ』は、今だに世界に輸出され子供たちに愛好されている。


そういう方面では、つくづく日本人は優秀な民族だと思う。


ソニーにしろトヨタにしろ、セイコー、ホンダ・・etc・・・元はみな戦後の小さな町工場のオヤジさんが創業者だったはずだ。





話がそれたが、フウテンの頭の中にも作業の“コマ、ゴマ”とした多数の問題点が、グルグルと高速で回転している。


その『ジャイロ効果』によって、どうにか私は直立歩行していられるのかも。


そうでなければ、偉大なる『アルコール効果』のゆえに、フウテンは千鳥足がせいぜいかもしれない。



しかし、フウテンはロクデナシだが、これでも日本人の端くれだ。


自分で言うのもおこがましいが、器用貧乏では人後に落ちない。


全ての問題点をキッパシと解決して、帳尻を合わせる所存である。



乞う、ご期待!

地獄?の暑さ

(クラブハウスの屋根、外壁のところ)



暑いです。


熱帯ですから、このぐらいはアタボ~なんですが、マァ夜は涼しく、東京の梅雨時のような蒸し暑さはありません。




さて、まだ外壁を仕上げていない為、2階のビームの下とか、外構の足場の木を壁に差し込んでいる穴がある。


冒頭の画像で云うと、屋根壁の3角のところのブロックに穴をあけて、足場のサポートの材木が貫通している。


その隙間から雨水が2階の天井裏に侵入する。


これでは天井に雨染みが出来るので、2階の天井のペンキ塗りが出来ないのだ。


屋根裏の内側から、壁の隙間と穴をふさぐよう指示した。




しかし、日が悪かった。


その日は朝から空を飛ぶ鳥も落ちそうな、カンカン照りだった。


太陽がすぐ上にありそうな・・・


屋根が熱せられ、屋根裏の温度は推定45度C。


しかも屋根裏は湿度も高く、ムシーッとする暑さだ。


指名された4名は、文句も言わずその”灼熱地獄”に挑んでいった。


というとカッコいいが、ただ単に何も考えていないだけかもしれない。



私フウテンも、作業の指示とチェックのため天井の蓋をあけ登っていった。


私は東南アジアの熱帯生活が長いので、普通の日本人より暑さには強い。


しかし見ているだけでも10分が限度。


汗が流れ落ち、Tシャツやパンツがびっしょり、アタマがボ~っとしてくる。



暗がりで見にくいが、彼らも上半身はだかで汗を噴出しながら作業している。



(暑さは画像では見えない)



(足場材木を抜いて、セメントで穴を塞いだ)



申し訳ない気もするが、ここで同情したりしてはいけない。


普段はラク~な仕事でサボっている連中だ。


私はチョット上がってみては下へ降り息をつき、の繰り返しで様子を見る。


天井板を踏み抜いたり、セメントをこぼしたり、電気配線にダメージを与えないよう、見張りである。



どうせ、のちに外側から分厚いセメント壁を仕上げるので、今は雨水さえ入らなければ良い。


後始末と掃除をさせ(言わないと作業後の掃除はしない=フィリピン流か)、病人が出る前に適当に切り上げさせる。



この作業で、私は電気配線のジャンクションボックスに蓋がしてないのを20個ほど見つけた。


天井裏のボックスの総数が35個だから、半分以上だ。



(奥のボックスには蓋が無い)



一見マジメ、几帳面な仕事をするフリだが、『天井裏じゃ気が付かないだろう』と思ったのか、手を抜いたのだろう。


ジャンクションボックスの中は、電気結線があるので蓋なしで良いわけはない。


(ボックスと同じ数のカバーを買ってあるので、言い訳はさせない)


油断もすきもありゃしない。


早速電気工事をしたSに思い切り文句を言わなくては。


私はこういうセコイごまかしが、一番気にくわない。



ホントにホントに、見ていないと手抜きするお国柄なのである。


そうでない人も、マジメで几帳面な人も居ることはいるが、ごく少数なのだ。


そのかわり、見ている前でもしっかりと手抜きする豪傑も、ごく少数いる。