ブロック塀にお化粧する
現状のブロック塀。
さて、未だにお座敷の資材の竹材=ブトンが手に入りません。
そこで今度は、敷地の囲いの、ブロック塀の仕上げ作業に着手する次第となりました。
塀とはいえ、ウチには、総延長215メートルのブロック塀があります。
フィリピンのセメントブロックも職人の腕も、日本よりだいぶ質が下がります。
日本人からすると、ちょっと見た目が悪いです。
(ただしウチのは、柱と上部は鉄筋コンクリートですから、強度は十分です)
これをなぜ仕上げていないかというと、費用の問題です。
全面モルタルで仕上げるとなりますと、とてもコストがかかります。
内訳はセメント、砂、人件費ですが、215メートル分となると、計算する気にもならないほどです。
しかもただ平面で仕上げたのでは、味気ないだけだと思います。
そこで、ちょっと工夫してみました。
ブロックの継ぎ目の部分に、セメント粉をやや多めに混ぜたモルタルを、コテで飛ばして盛る。
そいつをカットして直線にする。
画像は大棟梁エンボイ。
厚さ2分の1インチに平らにならし、上下を直線にカットする。
同様に縦線も作るとこのようになる。
ブロックの形をそのままデザインに取り入れたのであります。
フィリピンでは(たぶん日本でもかな?)、たまに見かけるブロック塀の仕上げ方法です。
今回、エンボイとドドンのツートップを投入いたしましたので、他所より仕上げは綺麗だと思います。
あとは、ペンキを塗ってお構いなしとなります。
いつのことやら分かりませんが。
なぜなら、2人で丸1日やって、8メートルしか進みませんから。
しかも、同じ仕事を続けると、だんだん遅くなり精度も悪くなるという、(多くの日本人とは逆な)この国の人々の性癖があります。
日本人の職人であれば、慣れるにつれて、早くなり正確になるんだけど・・・
しかし私も、これでしばらくは、彼らに仕事を探す苦労がなくなりました。
下にベニヤ板を敷いて、切って落としたモルタルを再利用します。
左が大棟梁エンボイ、右は酔っ払い大工ドドン。
幼馴染、とても仲良しの二人です。
日曜日も市場周りでつるんで、ばかっパナシしたり、飲んでいます。
幼馴染の親友ってヤッパいいもんだな、と、羨ましくもあります。
思えば私の幼馴染の親友たちは、若い頃、交通事故で死んじゃいました。
1人は16歳の時、単車でブロック塀に突っ込んで・・・・
もう一人は、30代の頃、大みそかの夜、幼子を抱っこして横断歩道を渡っていて、親子共々トラックに・・・
今でも、たまに思い出し、独りでしんみりします。
そして変な話ですが、彼らのお陰で私は生きている、と感じてしまうのです。