ブトン、今度は海から来た
昨日は、セブ市に資材の買出し。
いつものように朝6時出発、帰還は夜9時過ぎでした。
例によって、奥様と二人で目を血走らせながら、セブ市を駆けずり回りました。
私フウテンは年のせいか、帰り道、硬い座席(荷台?)で泥のように眠ってしまいました。
一昨日は、セブ島南部一帯にかなりの雨が降りました。
現場は珍しく臨時休み、敷地内に水溜りがいくつもできたので、作業は止めました。
しかし、他所はそんなものでは、済まなかったようです。
地すべり、家屋への土砂の浸入と崩壊、停電、断水で大変なところもあったようです。
きのうの夜、帰り着くまで知りませんでした。
私どもがこの地にリゾートの建設を決定した要因に、斜面地でない、低地でない、崖・川から離れているという要点がありました。
上記のような土地は、安い!景観が良い!などの利点もあるのですが、そういう立地の幾つかのリゾートに、過去にわらじを脱いだ、私の経験から出た結論であります。
被害にあった村人たちはお気の毒ですが、やはり自然の力は侮れないし、天災は怖いです。
私は選択した立地が正しかったことを、嬉しく思いました。
『人の不幸は蜜の味』と誰かが言ってましたが、こういうことなのでしょうか(苦笑)。
うって変わって、今日は晴れです。
さて現場です。
3週間ほど前、200本のブトンを隣村に注文したが、言い訳ばかりがヤマほど来て、肝心のブトンはサッパリ来ない(↓)。
そんなフザケた無責任スパイラルに、ついに終止符が打たれました。
(注:ブトンとは太い竹『バンブー』のこと。今必要としているのは、それを幅5センチ長さ4メートルの短冊状に加工したものです。お座敷の屋根を椰子の葉で葺くときの下地、そして床張りに使いますが、屋根用はすでに遠くの山から届いていて、残るは床張り用だけです。)
朝、管理人のおばちゃんルイーラが、
「サーッ!ブトンがきた~!」
と叫んでおります。
私が注文したのはルイーラの知人ですので、ルイーラはブトンが遅れていることで、私にせっつかれていました。
日本人は何てセッカチなんだろう、と思っているかもしれません。
そうじゃない!
あんた達がのんびり過ぎるんだ!
(私は先祖代々江戸っ子ですから、日本人でも人一倍セッカチです。 風呂は『カラスの行水』2分以上浸かるのは苦痛です)
と、言ったところで、ここは南洋の国、暖簾に腕押しでございますので、最良の策は、しつこく催促するだけでございます。
その甲斐あってかどうか、突然やってきました。
ルイーラの旦那の舟に乗せて、海から配達です。
すぐ舟が帰り、ブトンが残った。
早速、作業にかかります。
(左の青はルイーラの尻)
竹ですので、表面が緑の薄皮に覆われています。
これを剥かないと、床には張れません。
山刀で剥いていきます。
いつの間にか、ルイーラが手伝っています。
すると、このようになります。
ブトン代金からコミッションでも取ったのでしょうか。
それとも『皮を剥いた状態で配達する』、という約束が守られていないことに、少しは責任を感じているのでしょうか(多分そうでしょう)。
画像の、彼女の頭のほうが皮を剥いたあと、お尻の手前が剥く前です。
1本1本、250本全て、剥きます。
こういう作業は、今の私ならすぐ飽きてしまいますが、有難いことに、彼らはコツコツとやってくれます。
かくして、お座敷の現場はブトンだらけ(↓)になりました。
皮を剥いても、まだ床には張れません。
防虫剤を内面に塗布するため、まず乾燥させます。
ある程度乾燥させないと、防虫剤も効かないし、持ちが悪くなります。
先のことは考えない彼らですので、こういうことは、必ずこちらから指示しないといけません。
黙っていると、皮剥いてすぐに防虫剤を塗って、すぐ床に張ってしまいます。
ノンビリなんだか、セッカチなんだか判りません。
たぶん、『何も考えてない』というのが正解?なのかもしれません。