ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

どっちのお尻がキレイ?

前の話ですが・・・


日本脱出した私フウテンが、あるルソン島のド・ド・ド田舎のビーチリゾートに草鞋(ワラジ)を脱いでいた頃です。



いつものノーゲストの暇な夕暮れ、車座の雑談の中でフィリピン人女性スタッフ(10代)が、


『日本人はキタナイ!』


と放言いたしました。



私、


「えっ!?」


「なんで? 何で???」


「日本人は風呂好きだし、だいいち日本の町はフィリピンと違ってゴミが落ちてないし、やたらどこでも立ちションはしないし、身体を拭くタオルと、食卓を拭く雑巾と、床を拭く雑巾はみんな違うぞ。」



「驚くなよ! トイレ掃除のモップと部屋掃除のモップも、別々なんだぞ!」


「日本人は昔から清潔好き、というのは世界中の認識だよ。」



その女性スタッフ・・・


『でも日本人は、トイレで大をした後、紙で拭くだけじゃない!』


(リゾートスタッフなので、日本人の生活様式をある程度知っています。)



『紙で拭いたってキレイにならないから、キタナイッ!』


『私達フィリピン人は、ちゃんと水で洗うからキレイ、キレイ好きだ。』




・・・・ナルホドそういうことか。


ひと昔前のウォシュレットのCMに


『あなたは、手が汚れたら紙で拭きますか? 水で洗いますか?』


とか言うのがあったように思う。


確かに、人の前でも(例えば乗り合いジープの中でも)平気で鼻くそをほじくり、辺り構わず擦り付ける、ある意味で非常に勇気のある(?)、ジャングルの奥地のフィリピン人のような日本人を私は知っています。



実際のところ、ナニ人であろうと、キレイ好きもキタナイ好きも居るとは思うのですが。


しかし、そう云ってしまっては、バカっ話しは終わってしまう。



私、


「どこの家でも、日本の家には、日本人の偉大な発明“ウォシュレット”というものがあるのだ! まいったか~!」



最近はフィリピンでも高級ホテルなどは、ウォシュレット仕様が有るらしいが、当時、まして地方では、まだ影も形もありません。



私(エラソ~に)、


「ソレはだな~、事が済むと温水シャワーが・・・・温風が・・・」


と説明したが、敵が見たことがない文明の利器を、言葉だけで飲み込ませるのは難儀で、正確には伝わらなかったと思います。





それはそうと、一般のフィリピン人は、大のあとは、トイレの中のバケツから、柄杓(ひしゃく)に汲んだ水と左手で、菊の御紋を清掃したのち手を洗う、というスタイルであります。



私、


「確かにお尻はキレイになるだろうけど、アンタサン、手のほうがちょっと・・・・・ではないの?」


「それでいて、君たちは手づかみで食事するんだから・・・。」



相手、


『だから食事には左手は使わないから、清潔でしょ!』



私、


(左手の身にもなってみろ。)


「そうじゃなくて、キレイ好きの日本人は箸を使い、ご飯を手づかみで口に放り込んだりしないよ。」



相手、


『ウソダ~ッ!日本人だって、両手でライスを丸めて(おにぎりのことです)食べたり、プロフェッショナルのコックが、素手で食材を触って調理するじゃない。』


『キレイ好きのフィリピン人は、そんなことはしないんだから、ネ~ッ。』




実際フィリピン人は、日本人が素手でおにぎりを作り、それをムシャムシャ食べるのを見ると、『ウエ~ッ』と目を丸くする人がいます。


(おにぎりは片手では握れません、左手も使うからです。)




・・・相手陣が多いから、旗色が悪い。


(キレイ好きだから箸を使うのではなく、箸を使うのは日本の伝統、食文化のひとつだからと云っときゃ良かった)




私、


「素手で調理するのは、ちゃんと石鹸で洗ってきれいだからイイの。」


「とにかくな~、紙で拭くのは、ここにはウォシュレットがないからなんだ!」




相手、


『だったら、私達のように手でキレイに洗えばいいじゃない。』



私、


「? あのな~・・・・」





事ほど左様に、外国人と理解しあうというのは、頭がこんがらかってきて、しんどいのであります。



次回は、簡易ウオシュレットのお話となります。

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