屋根が終わりました
(軒下の作業)
やね屋さんのFに委託した工事が終了する。
前にも書いたと思うが、屋根工事の請け負い先もかなりてこずりながら、検討&決定した。
結果、うちで資材を購入しているM社の紹介であるFに決めたのだ。
全然知らない業者に頼んで、手付け金を持ち逃げされたり、ダラダラ&手抜き工事など真っ平だからだ。
仕様で、屋根材の厚みを通常の0.4ミリから0.5ミリにする事、トラスのアングルバーも普通のシングルからダブルにして強度を増す事、この2点をフウテンとして注文を付けた。
その分経費は増すが、屋根鋼板(カラートタン)は、僅か0.1ミリの違いでも強度や耐久性は倍くらい違ってくるし、シングルのアングルバー構造のトラスは弱い(特にネジレに)と思うので。
フィリピンに10年以上(=この当時で)居て、今更ながらの発見があるときがある。
今回の屋根やさんの仕事ぶりもその類いだ。
(軒下の換気口の施工)
(建物の”顔”となる軒中央部の工事)
今までスタッフとして働いてきたビーチリゾートでは、建築工事のいわゆるコントラクト(請け負い)工事で、あまり良い結果を見ていない。
がしかし今回、私フウテンとしては、このFチームの仕事ぶりには感心させられた。
マジメ一方。
仕事中冗談を言ったり、おしゃべりしたりもほとんどないのだ。
毎日あとかたづけして、小さな鉄板の切れ端まで拾い集めるのだ。
全くフィリピン人離れしているワーカー達だ。
電動工具は、ドリルだけ。
材料は使い古した金バサミで一枚一枚カットする。
朝早くはじめ、日没ギリギリまで仕事するのは、コントラクト(請負仕事)としては当然としても、やっつけ仕事にしては、いないのだ。
実にこまめに丁寧な仕事をする。
みな若いので、おそらく小さいころから見習いで仕事しているのであろう。
日本で言えば、昭和30年代初め、高度成長の初期のころに『金のたまご』といわれた地方出身の中卒勤労少年達のような雰囲気だと思う。
めったに現れない親方(社長)のFも、この国の国民性とも言えるいい加減さがなく、生真面目で筋の通った話ができる人物だ。
また、めったに来ないという事は、任せて安心できるということなのだろう。
親方Fは、キリスト教の一派である『イグレシア』の信者だと言う。
私ら夫婦も、毎度パンフレットを見せらせ勧誘される。
他の国と同様、フィリピンにも多種多様の宗教が存在する。
しかし、フィリピン国民の95%前後はキリスト教徒だ。
大体だが、ローマン・カトリック信者が85%、プロテスタント4%、フィリピン独立教会4%、イグレシア2%、だという。
『キリスト教』と10羽(十派)ひとからげに、括れないのだ。
それぞれが別々の教会で、別々の儀式を執り行う。
このほかにミンダナオ島西部中心に、イスラム教徒が4~5%住んでいる。
また独自の土着宗教を信仰する、ごく少数派民族もいる。
関係ないが、フウテンの家は浄土真宗、東本願寺系の大谷派だったと思う。
ローマン・カトリックが圧倒的に多いが、私の感じでは、その半分は日曜ごとのミサには行かず、生き死にの時だけは信者の顔になる、多くの日本人の仏教徒と同じスタンスだ。
しかし残り半分は毎日曜日の朝、教会に行くのだ。
何があってもこれが優先されるから、困ってしまう人も多い。