ビーチコテージに着工する・・・前編
(コテージプランで、書いた図面風スケッチ)
クラブハウスにほぼカタをつけた。
次のプロジェクト、”海辺のコテージ” の建築工事を始める。
実はこのプランも、3ヶ月前から何度も練り直している。
変更が相次いだ。
理由は、建築資材の高騰によるコスト高で資金面で問題があり、設計上遊んではいられなくなったのだ。
一番こたえたのが、『高床式』を諦めたこと。
鉄筋コンクリートの丸柱を組み、左官名人:ロッキーに頼んで『丸太風』な化粧を施し、上にコテージを建てる。
(夢のひとつだったけど・・・)
高床を組む費用を他に回すことにした。
おおまかな基本コンセプトはこうだ。
平屋で通常の鉄筋コンクリート柱、コンクリートブロック作り。
屋根はニッパで葺く。
床面を地面より1メートル上げる。
これは高床を諦めた代わりもあるが、50年に一度の高波に備えた。
同時にベッドルーム以外は天井は張らず、しかも高くして開放感を出す。
海側の窓は大きく、それ以外はこじんまりと、そしてベッドルームは安眠できるように閉ざされた空間とする。
海側に、幅2メートル長さ6メートルの専用テラスを付ける。
内装は『快適なネイティブスタイル』を心がける。
具体的には、屋根内張りと壁の表面に、潮風に強いアマカンシート(竹をそいで編んだもの)を使用。
床は衛生的なタイル張りとするが、家具調度類はボロ屋からの良質な古材木を活用する。
マァ能書きはいい加減にするが、自分で選んだ方法とはいえ、全部自分で決めて自分で設計しないとならないのは、チト疲れる。
例えばこれは、窓のプラン。
うちのチーム(はっきり言えばエンボイ)に分りやすく、なるべくシンプルに書くよう心がけている。
しかし、CADは無論、ドラフターも無く、T定規と製図板さえも無い。
一番私がせつないのは、仮にそれらがあって、私が緻密な図面をかけたとしても、ウチのスタッフは誰一人・・・・図面が読めないのだ。
間取り、壁と床の構造と材質、給水&排水、コンセント、スイッチなど電気配線、窓のサイズ&位置から、屋根の形、トラス・・・・。
考えて、ラフを書いて、図面を起こして、考えて、変更、手直し、資材選択と必要量とコスト計算、調達。
建築畑出身でないフウテンにとって、どれも楽なことはない。
が、もともと嫌いじゃないし、今回のリゾートが私にとっておそらく最後、最後のお勤めと言う事で、やれるだけやってみよう。
クラブハウスと違い、平屋であるから少しは気が抜けるかなという気もするが、そのぶん早く出来て当たり前、ちゃんと出来て当然、という期待もあるだろうから、油断は出来ない。