ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

海辺の露天風呂も作るぞ

穴と溝を掘り、捨てコンして鉄筋入れて、ブロックを積み始めた。


敷地内の海辺に、露天風呂を作るのだ。




都会に住みインテリでリッチなフィリピン人はともかく、ウチのような“ド”の付く田舎の比国人は、風呂など入ったことはありません。


かく申す私フウテンオヤジも、フィリピンに来て10数年、1度もちゃんとしたお風呂には入っていません(ダイビングで冷えた体を温める、ドラム缶風呂だけです)。


なぜかというと、私は”田舎専門”だからであります。


田舎の人の習慣ですが、一般的には、トイレルームの中にプラスチックのバケツがあり、そこに貯めた水を、プラスチックのひしゃくで身体にかけて風呂というか、シャワーの代わりにします。


シャワーというより行水に近いでしょうか。


もちろん、シャンプーや石鹸を使って身体を洗います。
(今はどうか知りませんが、以前はブラシ・スポンジ、垢すりタオルなどは使わず、手のひらと洗剤です)


シャワーヘッドなど、なくても当たり前。


それどころか、電気と同じで水道がない家もあるわけで、電気温水シャワーでもあろうものなら、相当なお金持ちです。


ところが実際のところは、この国の気候では、水シャワーが一番気持ち良いのであります。


「慣れれば・・・」の話ですが。


負け惜しみではありません。


したがって、普通のフィリピン人は間違って(?)バスタブや温水シャワーのあるホテルなどに泊まりましても、水シャワーのみの使用となります。


ココのところは、取りようによっては、私の日々の行いが不浄であると誤解されますので、
ご説明いたします。


私がそういう生態を知っている理由は、10年以上この国のビーチリゾートに勤めているからで、決してフィリピン人と同宿した経験が豊富だからではありません、念のため。


つまり、田舎の比国人は、お湯が苦手な(人が多い)のです。


日本人のように、40度以上の熱いお湯に身体を漬けるなど、田舎のフィリピン人にとって、拷問と同じです。




そんなことより、そんなわけで、うちのそろいも揃ったハンパ職人どもに露天風呂など作らせたら、これはもうエライ事になるのが、ハナから見え見えなのであります。


全員が、風呂に入った事ない、見た事ない、作った事ない、と完全に3拍子揃っております。


しかしながら、ウチの開発コンセプトは、
“100%地元の村人による手作りのリゾート。”


これだけは譲れません。




そんな状況での露天風呂作りは、ハラハラして目が離せませんが、とにかく私の描いたスケッチを渡して説明し、工事を始めました。


図面を引いて渡すと、図面が読めない彼らは別物を作ってしまうので、この場合は、スケッチ(絵)のほうがイイのであります。



海沿いの塀脇に3メートル四方の溝を切り基礎をブロックと鉄筋で固める。




縦筋は、25センチ間隔、横筋も2段ごとと、エンボイ流の(フィリピンにしては)バブリーな入れ方。



この手抜き全盛のフィリピンで、こんなに鉄筋を使う奴は初めてです。


ケチな私としては、かなり腹立たしいが、風呂が漏るより良いのかもと思うことにして我慢いたします。


実際には、地震がほぼない地域ですので、囲いの中は鉄筋無しでも漏らないと思う。


万一地震があっても、この構造で壁の厚みは70センチですから、びくともしないはずです。



そして縦横3メートルの4角の壁が出来た。


この中に縦横1.6メートル、正方形の露天風呂を作ります。




あと1週間もすれば出来るだろうと思ったとたん、こんどは型枠を組み始めた。



私はこの内側にコンクリート壁を重ねて、バスタブを成形していくつもりでいたのに・・・型枠とは・・・。
そうきたか~。


セメントは節約できるが、型枠に木とベニヤを使うので、コストはかえって増えるでしょう。


また大事な材木が消費されます。


ツライ・・・。


しかも海石を壁と浴槽の間に入れて、浴槽のコンクリート厚は20センチにするという。


となると、ちょっとひび割れ&漏れが気になります。


しかし、誰しも、得手不得手があります。


したがって、工法の選択の自由は、ある程度認めたほうが良いと思うので、黙ってやらすことにしました。


けど、これでは2週間以上はかかるぞ~。

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