初体験のカマド作り・・・2
カマドの設置場所は、クラブハウスから東へ7メートル。
まだ実が成らない、若い椰子の木とブロック塀の間。
コンクリートのガラを長方形に置き、中に海岸から持ってきた小石を敷き詰める。
(当時のセブの田舎では、耐火煉瓦等、耐火・耐熱材は見つけられなかった)
ざっと捨てコンを打つ。
現場をぶらつき、落ちている古釘を拾って歩く。
もったいない、片手一杯分は2分ぐらいで集まる。
拾った釘を捨てコンの上に刺し込んで、さらに広い範囲で捨てコンを打つ。
この捨てコンは、竈(かまど)の一番下の構造部分となる。
釘はアンカー代わり。
錆びていても、セメントは強アルカリ性なので問題ない。
2度目の捨てコンの周りを石で囲い、壁を立てるあたりにチョークで目印して、水ホースでレベルをとっておく。
そしてここから先は、作業はエリックに任せ、私フウテンオヤジは、作業を点検して指示を出すのみ。
ウチのビーチで平たい石を選んで、モルタルで積んでいく。
と、こうなる。
お読みの皆様は、上の写真の囲いの中が炉⁽=火を焚く所⁾と見たかもしれません。
違います。
ところが、エリックまでそう思っていました。
彼には、面図を見せ説明しておいたのに・・・
この囲いの中は、まだ基礎です。
一般にカマド調理は、しゃがんだ姿勢でする場合が多いです。
何故なら、その位置に床⁽火を燃やす場所⁾があるからです。
前回記事で書いたように、私も子供の頃の経験上わかりますが、この姿勢が結構辛いのです。
昔の日本人と違い、現代人は『しゃがむ』のが苦手です。
そこで“マイかまど”では、立ったまま、もしくは何かに腰掛けて、火を扱い調理できるように設計いたしました。
床(とこ)を高くするもうひとつの大きな利点は通風です。
火を景気よく燃やすには、空気(中の酸素)が必要です。
同時にその供給酸素量で、火の加減の調節も可能です。
そして空気は、下方から供給するのが一番効果的です。
ところが、カマドの床が地面すれすれでは、それはできません。
そこで床を上げると、こういう事ができます。
まず手前を1段高くする。
塩ビパイプを6本仕込んでから、セメントを盛る。
斜めに貫通させたパイプをセメントで埋める。
この面がカマドの床になります。
エリックも、ここまでやって床上げの理由を理解したようです。
床の下に、ハンパ物の塩ビパイプを埋めて、セメントを打つ。
空気が流れやすいように、また掃除が簡単なように上向きに30度ほど角度をつけてあります。
パイプはセメントが固まる前に抜きます。
(右から二つ目の通風孔に、ヤシの葉を刺してみた)
乾燥後、ヤシの葉を試しに差し込んでみると、スムースに通ります。
カマドの内部に、下方から送風できます。
通風穴を外側から何かで塞げば、火勢の調節も可能です。
通風孔は3×2で6箇所としました。
また床面は、水抜きと灰の掻き出しを考慮し、奥を高く、8%の傾斜を付けました。
団扇も、火吹き竹も、不要なカマドです。
(・・・・・長くなりましたので、次回に続けます。)