ソレダメ―!な、水道配管のタブーと極意
上は、手持ちの水道配管のパーツの在庫です。
さて、現場です。
最近あちこち出来上がってきて、水道配管の仕事が続いております。
いろいろな配管パーツを組み合わせて、配管プランを練るのは私の仕事です。
段取りとしては、まず接続用の継ぎ手やバルブ類を、あらかじめ買っておきます。
水道管は、それぞれ測定し、適当な長さにカットしたものを村の水道局に持って行き、ネジを切ってもらいます。
数日後、出来上がりを受け取り、現場で担当者のエリックに説明しながら組んでいきます。
エリックは、ほぼオールアラウンド、任せて(ほぼ)安心です。
配管の場合、私はハナから図面を書きません。
図面を引いても、図面が読めない彼らですので2度手間です。
或いはミスされて、3度手間になることもあります。
そういう愚痴っぽいことは止して、本題はこれからです。
日本の人には、『???』じゃないかと思います。
これらは配管用のバルブです。
私は、これらをセブ市の大型店をはしごして買い集めます。
大体、必要量の倍くらいを目安にして買います。
何故かと言いますと、不良品や低品質のオシャカ同然の物が、混ざって売られているからです。
『検品』という作業システムは、まず無いと言っていい国でしょう。
ネジの部分やパイプの肉厚が不均一ですので、組んでいる最中に割れたり、テストするとピンホール(極小の穴)があり水が漏ったりします。
そして余程のことでもないと、返品は受け付けてもらえません。
いちいち交換に応じていたら、店が潰れるかもしれません。
こちらとしても、丸一日と車代をかけて再度セブ市に行く、というのも無理な話です。
あるとき、お店の商品棚でバルブを選んでいると、ネジ部にクラック⁽ひび⁾のあるゲートバルブを見つけました。
もちろん私は買いませんが、知らないで買う人がいると可哀そうだから・・・(ではなくてどう応答するか見たくて)、店員に「これ、割れているよ。」と教えてあげました。
堂々と通路をふさいで、同僚と喋っていた店員は、私からバルブを受け取ると、確かめもせずにもとの棚に放るように入れました。
予想通りの反応です。
私と店員は、目を合わせてお互いニタリッ、としました。
ここはフィリピン、日本とは違いますよ。
村の水道局に委託する『ネジきり』もそうです。
20%くらいの割で、ネジがパイプに対し、少し斜めに切られています。
繋ぐと直線ではなく、『く』の字になります。
例えばこれ(↑)
2本のパイプをユニオンで繋いでいます。
(配管を埋めるのは、比国の田舎では✖です。水漏れしても見えないし、凍結の心配もないからです)
右のパイプのネジが斜めで、『直線』にはなりません。
1回で力まかせにネジをきるからです。
ダイスの番手などは眼中にありません(知らないと思います)。
そして現場、これも素人の域を出ておりません。
間違った思い込み、力まかせの作業。
しかも、その技術(?)に自信を持っていますから、始末に終えません。
『ゴーインマイウェイ』です。
云う事をきかせるには苦労します。
現場でも当然ロスが出ます。
ミスしても反省しませんから、進歩はありません。
したがって、これが正解です。
壁内に配管すると、水漏れしたとき、壁を壊さないと直せません。
壁は貫通させるだけ、洩っても壊すのは、管周りだけですみます。
見っともないけど、水漏れはすぐ分かります。
カッコつけて壁の中に配管すると、あとでひどい目に会います。
他のリゾートで何度も経験済みです。
〈壁から水が出てくる〉とか〈壁に触ると感電する〉とか・・・実際に何度も経験しました。
ウチの村は、比国でもド田舎です。
フィリピンの労働者の質は、出稼ぎ者を頂点とし田舎者を底辺としています。
田舎でちょっと腕のいい人、頭が働く人は、とっととセブ市やマニラなどの大都会に働きにいきます。
とても運がよければ、海外出稼ぎに行き、大金を家族に送金できます。
そしてゆとりのある優秀な人材は、欧米の大学に通いその国で就職します。
それぞれ、収入が段違いだからです。
その結果、フィリピンの地方には、底辺の労働者や、何もしないで暮らす人達がひしめき合っています。
他のアジア諸国が、それなりに進歩発展しているのに、フィリピンはいつまでたっても変われません。
近所の国を見渡しても、とっくの昔にタイに追い越され、インドネシアとベトナムの後塵を拝し、やがてミャンマーやカンボジアにも抜かれるかもしれません。
それでこそフィリピンです。
ある面では、それで良いと思います。
だいいち、国が発展すると、給料が上がり、物価が上がります。
そして、人々が、暮らしが、世知辛くなります。
拝金主義が横行します。
それに、考えてもみてください。
フィリピンの人たちが、みな優秀になり、礼儀正しく、勤勉になったら・・・
私フウテンおやじなど、まったく立つ瀬がありません。
存在価値ゼロです。
私としては、フィリピンは何百年でも?何千年でも?、今のままで結構でございます。