ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

2階バルコニーほぼ完成

(バルコニー床の仕上げのタイル貼り)



ロッキーとジェームスの、見てて安心コンビとヘルパー2人だ。




2日くらいで終わるだろうと高を括っていたら、準備に2日かかってしまった。


なぜかというと、バルコニーの(床の)レベルが高過ぎるのだ。


このままタイルを貼ると、降りこむ雨水は部屋の中に入ってくる。



(床全面を手作業でハツるヘルパー、面積で云えば6畳ちょっと)




3ヶ月前スラブのセメントを打ったとき、バルコニーの床は室内の床より2インチ(約5センチ)低く、と指示したはずなのにナゼこうなのか?



ご想像の通り。


能力以前に足し算ができない、そして腕が悪いからだ。


しかし不思議なのは、間違えるのに常に厚(高)すぎるほうに間違える。


例えばの話し、お店でつり銭を間違えるときは、正しい金額に比べ、多い時も少ない時もあると思う。


もし、いつも(おつりが)少ないほうに間違えたら、「あやしい!」と思われるに違いない。




床のレベルを合わせるセメントのハツリ作業に、4人で2日間かかったのだ。


仕事を作る為にワザとやっている・・・と勘ぐりたくなる。


レベルが低い場合はモルタルを少し盛ってからタイル貼りをすればいいので、ずっと手間は少ない。



(床をはつる)


(床をはつる)





毎度のことのように人件費を浪費してから、ロッキーとジェームスのタイル貼りが始まった。





以前書いたように、バルコニーは設計変更して広くしたので、すでに買ってあるタイルでは数が足りない。


タイルは、セブ市から運ぶ時や施工中の破損を予想して、必要量より7%多めに購入してある。


日本ではどの程度の数字を設定するのか私は知らないが、この工事では私は7%と見積もって買い込んだ。




そこで、奥様と今まで貼ったタイルの残り物を調べる。


『ウ~ム、ナントカなりそうだ。』



足りなくなったら、メイド用のシャワールームの壁のタイルを、割れたタイルやカットしたタイルでモザイク模様にしてしまおう、というプランBも思いついた。



ロッキーに「バルコニーの床は、タイルが足りないから、これとこのタイルを組み合わせデザインしてくれ。」と頼む。



まだボロを出して無い名人:ロッキーは、他のスタッフよりは頼もしい。



『がってん、承知の助!』とすぐ二つ返事が返ってきた。



出来上がりがこれ。












画像では判断が難しいだろうが、決められた数の残り物タイルで描いたデザインにしては、上出来だ。



ロッキーが『ついでにバルスターの上の手すりも、タイルを貼ろうか?』 というので、なるほどと思い、また奥様と残りタイルを調べに行く。



上っ面と両サイドを貼るとして、ざっと2.4㎡分のタイルが有れば良しと計算して、これも算段すればナントカなりそうなので、タイルを指定して頼んだ。



この手すりのタイル貼りは、左側ロッキー、右側をジェームスがした。



(ジェームズ作)



(ロッキー作)




内側の角のタイルの処理に違いがある。



私は専門家ではないが、角のところのタイルのつなぎ方に玄人っぽさを感じる。


これをさり気なくやってのけるロッキーは、やはりタダ者ではない。


オマケにタイルの柄模様まで、実は合わせている。




これで2階のバルコニーがほぼ完成。





またまた天を仰ぐ


(ジサマは皆?ご存知?・・白馬童子)




目下の私の関心事は、忙しくて床屋に行けないことだ。


今日も朝5時から、夕方5時までアッというまに過ぎた。


3ヶ月は、床屋に行ってない。


髪の毛ボウボウで、自分でも暑苦しいくらい。


このままでは、『白馬童子』になってしまう。






さて、話はキッチンキャビネットの続きである。


こう『天を仰ぎ』続けると、そろそろ首が痛くなる私フウテンオヤジだ。


キッチンのキャビネットをいちおう?作り終わった大工のDとVは、そのまま引き続き2階のキャビネット製作に振り分けた。


お読みいただく諸兄の中には、其処までやられて『ナゼお前は懲りないか?』とか、『そんな下手くそはクビにしろ』とかお考えの方もいらっしゃると思うが、この程度のことでひるんでいては、フィリピンでは生きていけない。


軍歌『敵は幾万ありとても』の心境だ。




DとVはこれでもオスロブでは『腕のいい大工』と言われているのだ。


(要するに他の人材はもっとひどい、想像を絶するのだ。)



地元民の雇用だけでリゾートを作る、というフウテン夫婦のコンセプトは意地でも崩せない。


またDとVに、失った自信を取り戻すチャンスを与えないと、人を育てることは出来ない。


いや、2人ともケロッとしているので、『自分は名大工』と言う彼らの自信は、少しも揺らいでないようだ。


(話はそれるが、観光地や空港などで売っている、フィリピン土産の民芸品を見てみるといい。 たいていは実に雑な作りだ。 アレは『素朴さ』や”民芸品”としての演出ではなく、アレが”精一杯”というのが真実なのだ。)






キッチンキャビネットの塗装の下塗りは、他のヘルパー連中を充てることにした。


次の『天を仰ぐ』はこの連中の出番だった。




『ヘルパー』というのは、職人達より日当が下だ(日本では『見習い』とか云うのかも知れない)。



しかし伊達や酔狂で、『ヘルパー』は”ヘルパー”に甘んじているわけではない。


立派な理由がある。


つまり、能力に問題があるからだ。


私が彼ら(4人)に頼んだのは、キッチン収納の木部のヤスリがけとペンキの下塗り、たったそれだけだ。


仕上げの塗装は、少しは頼りになるペンキ職人のカミーロにやってもらう算段だ。





(比国では)当然の事ながら、同じはずの引き出しの形は、それぞれ微妙に違う。


DとVが引き出しにナンバーをつけたが・・・。


(紙やすりをかける某ヘルパー)



ヤスリをかけた後、別の場所に戻すので、意味をなさない・・・めちゃくちゃになる。


さらに、ペンキの下塗りをする。


そしてコンパウンドで平滑にして、乾いてからまたペーパーやすりで仕上げる。



・・・つもりが、コンパウンドをデコボコに厚く塗りすぎているからヤスリをかけても平らにならない。


またコンパウンドを塗る。


またペンキを塗る。



(ペンキ下塗りをする別のヘルパー)


すると更に凸凹になる。


そこでコンパウンドを上塗りする。


もっとひどくなる。



(本来フラットな面が芸術的?曲面となる)




同じことの繰り返しだ。


4人がかりで3日やっても終わらないどころか、サイズが大きくなっていき、引き出しもパネルも合わなくなった。


ツルツルになった紙やすりをずっと使うので、いつまで擦っても、同じ。


引き出しの奥のマァどうでもいい場所と、1番に目に付くキャビネットの表面と同じようにやろうとする。



冗談のようだがホントの話だ。




「たわけ者め!」


4日目に見るに見かねて止めさせた。


このままにしておくと何週間でも続けるだろう。



もし彼らの仕事ぶりが正しいのなら、全く理解できない私が相当バカに違いない。



今さらだが、世界は広いのだ!