ビーチボーイ&ビーチガールのクロニクル

南国ビーチで、ゼロからリゾートを建設し、営業し暮らした記録です

疲れてる?・・・壁酔い?

(クラブハウス)



フウテンおやじ妻です。


フウテンが今までいやっっっというほど、ウチの職人たちの腕前を記しました。


そんな素人集団職人達が作ったウチのクラブハウスも、仕上げの段階にはいっています。


クラブハウスの2階は。。


雑なラフな仕上がりの壁に、ホワイトカラーのペイントをほどこした廊下はまるでギリシャ風。。。。





部屋はウイスパービーチなる小洒落た名前のペンキを塗り、落ち着いたシックなグリーンのタイルがお行儀よく床に並び。。。。



と、もうどうにもできない仕上がりの細かい部分は見ないふりをし、廊下の白い壁に見とれていた私がある日。。。。


クラッ! がく~(落胆した顔)


なんとめまいを感じたのです。。


ん~、最近運動不足だし、ビタミン不足かな。。。


?なんか船酔いみたいなかんじが。。。。


なんで。。。。??


気をしっかり持つんだ!と自分に言い聞かせながら壁を凝視すると、またもやクラッ!



本当にやばいかもしれない。


ごめん、フウテンおやじよ。


私はちょっとまた体を休めたほうがいいのかもしれない。。。


などと思いながら、ちょっと歩いて部屋へ移動。


部屋へ一歩入ると、具合の悪くなったはずの私は大丈夫。


「クラッ」とはしないのであった。




次の日、2階へ。


ギリシャ廊下を歩くと、またもやクラッ。フラッがく~!



ちょっと待った!今日は私は元気なはず。


しかもまだ朝、ご飯も食べたし、大丈夫。


なぜにくらっとしなければいけないのか。。。




早速フウテンに話すと


フ:「だってこの壁すごいんだよ。まるでヘビみたいにうねってるんだ」


ペンキが白のためとても分かりにくいのが残念ですが。。。


そう、うちの2階の廊下の壁は、まっすぐではないのでした。





(画像では分かりにくいですが、ゆるやかなカーブを描くびっくりな壁)



(画像では分かりにくいですが、左上がりの廊下の柱)



(画像では分かりにくいですが、右に垂れるすごい柱)



(画像では分かりにくいですが、世にも珍しい湾曲した壁)



(画像では分かりにくいですが、絶対誰にもマネできない窪んだ壁)





そう、私は壁酔いをしていたのです。


自慢しますが、私はちょっとやそっとでは車酔い、船酔いはしない方です。


乗り物に乗ると、酔うどころか寝てしまうほうが多いのですが。。。


そんな私が壁酔いするなんて。。。



私はこのうねった壁のせいで平衡感覚がおかしくなり、“壁酔い”していたのでした。




しかし、通常まっすぐである壁が、ここまでくるとある意味”芸術”ではないでしょうか。


壁酔いを克服し、このすばらしい壁を見ているとふと思い出しました。


小さい頃お気に入りの絵本のひとつだった安野光雅さんの「ふしぎなえ」です。




とにかく不思議なのです。絵ひとつひとつが。。。



(借り物画像です、こんなふうに不思議で。。。)




(借り物画像です、じっくり見れば見るほどアタマが?マークでいっぱいになり。。)



(借り物画像です、最後には「ほほぉ」と言ってしまうような。。)





2階の廊下に立っていると、自分がこの「ふしぎなえ」の中にいるような気分になるのです。






と、書いてはみたものの。。。。


すみません安野さん。。。[あせあせ(飛び散る汗)



決してそんなことはないはずです。失礼致しました。





うちの廊下の壁はただ単に誰にもまねできないうねった壁。。。




*フウテンオヤジ曰く:
「想定内、フィリピンの田舎だから」
強度的には、セメントの厚さと鉄筋の多さで、『問題な~い』。
『そのうち慣れる』のフィリピンスタイル。

2階バルコニーのバルスター

(左官職人ロッキーの持ってきたサンプルがこれ、持っているのもご本人)



前(↓)の続きである。





サンプルの芯の鉄筋は8ミリだが、実際は10ミリを使うとの事。



私:「2種類しかないのか?」
(これでは決められない。)


ロッキー:「・・・重くて持ってこられない・・・。」



そうだった。
1本5~6キロはある。


彼の住まいはウチの現場から結構遠い。


そこからボロ自転車で、毎日キーコ、キーコやって来るのだった。


確かに2本で精一杯だ。
(ゴメン。)


ロッキー:「家にはいっぱいあるよ。」



そこでフウテンは、「写真を撮ってきて下さいませ。」と奥様を彼の家に派遣した。
ロッキーと奥様、トライシクルで彼の家に行くと、あるには有ったが、実物ではなく『型』だけであった。









上の4枚の画像、分かりにくいと思う。


まだまだあるが、これらは、バルスターを作る際にセメントを削いでデザインを作っていく型(カタ)である。


しかし普通の人は、これからバルスターの実物をイメージすることは、まず出来ない。


これも迂闊(うかつ)だった。


彼のような職人は、バルスターの注文を受けてから制作に取り掛かる。


いつ売れるか分からない在庫を抱えれば、割に合わない。



まぁ、いい。


冒頭画像の右側に決めて、ロッキーに注文した。


中央部分のコケシ風なデザインが、バルスターとしては珍しく、私は最初から気に入っていた。





(4日後に届けられたバルスター)


確かにロッキーらしく丁寧で出来が良い。


しかし10ミリ(直径)といった鉄筋は、8ミリであった。


鉄筋の値段は10ミリだと8ミリの3倍するし、1年半前の2倍の値段だ。


私の目をごまかせるとは思っていないだろうから、高くて買えなかったのだろう。




ところで、注文したのはバルコニーで使う22本ではなく25本だ。


3本多い。


何故か?


フウテンの遊び心がヒラメイタのだ。


本来は、様々な手すりの下部の飾り柱のバルスター。


ゆえに意匠は洗練されている。


何かに使えるはずだ・・・。


今、クラブハウスの正面、前庭部分に小さな屋外テラスを作るプランが、フウテンの頭の中で密かに進行している。


そう。


そこの照明灯のポスト(支柱)にバルスターを利用したらどうか。


普通は金属パイプを利用することが多い。


が、それでは味気ないし、つまらない。


私は、「バルスター照明灯案」は、イケルと思う。



そこで予め、丈夫な屋外用電気コードをカットして、ロッキーにバルスター製作の時に中に配線を仕込むよう頼んだ。



それが余分な3本のバルスター(下の画像)である。


(両端から電線が出ている)


こういう工夫というか、物作りのプランを練っているとワクワクするフウテンだ。


思えば小さいころから、自分でおもちゃを工夫したり、何か修理したりするのが好きだった。


アイディア、思い付きを実行するのは、なお愉快だ。


そういうイタズラは楽しいのだ。


三つ子の魂ナンとやらである。



(バルコニーのバルスター施工の様子は、また折を見て報告となります・・・続く。)